2012/03/11

余韻。

余韻・・・というか、反動でしょうか。


コンクールが終わってウィーンに戻ってきましたが、
なかなか元のペースに戻りきれない自分がいます。(笑)

そんなフワフワした自分に降りかかる災難。
今日、初めて電車の乗車違反で捕まりました。

普通に定期券を買っていたので、
たまに見かけるチケットコントロールの人たちを見ても動じずにチェックを受けたのですが、
学生証を持っていなかっただけで、無賃乗車と同じ罰金(それ以上?)を課されました。



あとあと定期券をよく見てみると、

Nur in Verbindung mit einem gültigen Berechtigungsausweis

と小さく書かれていました。

上手い訳ができないところが悲しいですが、要はこの定期券は、
「有効期間内の学生証明書を所持しているときのみ有効」
ということらしいのです。


夕方まで、かなりカーッとなっていたのですが、
冷静になった今は、確かに決まりは破っていたんだな・・・と。

改札もない、一見ゆる~いこの国では、
締めるところは徹底的に締めてくるんだなと、痛感しました。

まあ、罪悪感は全くないので(笑)、今回は運が悪かったということにします。





さて、ピネローロは良い思い出がいっぱいで幕を閉じたのですが、
最終日、せっかくなので近くのトリノという街を観光してきました。


運が悪いことに、月曜日はほとんどの観光名所・お店が休み・・・。

でもそれはそれで、ゆっくり散歩ができたので良しとします。
(小雨が降っていましたが・・・笑)

トリノで見るべきものはいくつかあるのですが、
今回は敢えて印象的だったものだけをご紹介します。



















街を流れるポー川。
街の中心から歩いてすぐのところにあるこの川は、
その悠然さがとても存在感の強いものでした。























ドゥオーモ。
イタリア語で「神の家」という意味の、大聖堂。
社会科見学のような団体が同時に入場してしまったので、
厳かな雰囲気がなんだか少し違う感じになってしまいました(笑)


トリノには勿論、所謂ブランドショップといったものも沢山あるのですが、
こういったポー川や大聖堂のような、昔からその地にあるものとが共存していて、
それって日本ではあまり見られない光景なので、新鮮な感覚になります。

ウィーンでも同じことが言えるのですが、
むやみやたらに建物を増やしたりすることなく、
便利なものは必要な分だけに留めるというやり方は、
やはり日本と全然違うなと思いました。



別に、どちらも肯定・否定するつもりはありません。

僕は、ウィーンやトリノの街並みは素敵だなと感じますが、
生活観としては、やはり日本の方がいいので・・・(笑)


刺激に溢れた都会があって、
心から安心する田舎がある。

そのコントラストは僕にとって絶対に必要です。


ますます、日本の良さを再認識することとなりました。
(しつこいようですが、イタリアも良い国です。)






最後に、全く関係がありませんが、
日本の文化に久々に触れた・・・という意味で。





友達と、折り紙ってもう忘れたねーと話をした流れから、
まさかのグランドピアノの折り方があることを発見した友達と、
ついつい折ってしまった僕でした。


不細工すぎて、気に入りました。





2012/03/03

ピネローロという街で。

今、イタリアにいます!

というのも、留学生活が始まって、初めての国際コンクール参加のため、
イタリア・トリノの近くに位置するピネローロという街にやってきたからです。


まだコンクールは終わっていないのですが、
今回は残念ながら予選で敗退してしまい、昨日で僕のコンクールは終わってしまいました。





このコンクールは、比較的フリーに選曲できる課題となっていて、
僕が今回準備した曲は、

ドビュッシー:映像 第Ⅰ集より 「水の反映」「ラモーを讃えて」
シューマン:幻想曲 第1楽章
J.S.バッハ:トッカータ ホ短調
ベートーヴェン:ピアノソナタ  第17番  第1楽章
ドビュッシー:練習曲「アルペジオのための」
ブラームス:幻想小曲集 Op.116
ベートーヴェン:ピアノソナタ 第30番 Op.109
シューベルト:ピアノソナタ 変ホ長調 D568
プロコフィエフ:ピアノソナタ 第7番「戦争」




全部で、2時間を超えてしまうプログラム。
新曲は3曲だけですが、それでもこれだけの曲を同時に準備することは、
僕にとって、とても大変なことでした。


勿論、準備を怠ったわけではないので、悔しい気持ちがないと言えば嘘になりますが、

同じコンペティターの中には、数々の国際舞台を踏んできた人たちがいて、
その人たちのこれまでの経験を聞かせていただいたり、
その人たちの本当に素晴らしい演奏を聴いたことで、

自分が実力をつけて結果を出していけるのは、これからだということ、
そして、それを焦る必要は全くないということ、

それがわかっただけでも大きな収穫でした!



シンプルなことに思えますが、意外とそうでもないんです。
音楽家という独特な職業柄のおかげで、意外と焦っている自分に気づかされました。



勿論、人間食べていけないと死んでしまうのですが(笑)
そのことは置いておいて、
音楽家としての人生を選んだ以上、それに生涯を捧げるというか・・・
ようやくその意味と、覚悟について考えられるようになってきました。

一度きりの人生、
どうせ、自分の好きなもの・嫌いなもの、やりたいこと・やりたくないことを取捨選択しているのなら、
選んだものはとことん極めてやろうじゃん!って。

覚悟って、その時その時の自分の甘さに気づかされて積み重ねていくものですが、
今もまた、一つ大きな覚悟ができたなと、
そういった充実を得ることができました。






今回、応援してくれた家族や友達、先生。
本当にいつもありがとうございます。






只今、セミファイナル真っ最中です!