2012/04/28

春に、出会い。


ようやく訪れた春も、
4月がもうすぐ終わる!と思うと、いよいよ夏が来る期待を持ってしまいます。


勿論、まだ春は始まったばかりです。(笑)
日本では、桜が終わってしまうと、葉が緑になって、梅雨がきて、・・・もう夏か!っという感覚。
そのせいなのでしょうかね。


















市立公園(Stadtpark)。
みんな、思い思いに芝生の上で楽しんでいます。
たんぽぽって撮るのが難しい!焦点が曖昧・・・。何かコツはあるのでしょうか!?

























公園でベンチに座ってその時間を楽しむなんて余裕は、日本ではほとんど有り得ません。
飲み物片手に読書を。
尊敬する、大好きな先輩にいただいた一冊の本が、ただいま二順目です。


















シューベルト像です。
僕の、運命の人です。(一方的に。笑)


留学前までは、むしろ敬遠していた作曲家。
暗くて、盛り上がりに欠けて、さらには凄まじく長い・・・
歌曲に関しては、大学院時代に授業で選択して伴奏法を勉強しましたが、
これまた神経質なことばかり要求されて欲求不満になる・・・とか思っていました。





しかし、留学受験で初めてシューベルトの初期のピアノソナタを勉強し、
とても苦労し、悩み、研究し、
最終的には、もの凄く自分にハマったのです。


実は、自分がもともと持っている感性に、最も近かったのではないかと、
ここ最近考えています。


彼は、とても貧乏でお金がなかった。
自分の作品が演奏会で披露されたこともほとんどなく、
作曲してもお金を貰えることもほとんどなく、
所謂、社会の中で華やかに成功を収められたタイプの人間ではなかったのです。

一日何をしていたかと言えば、
朝起きたらとにかく作曲、
昼ごはんを食べたらまた作曲、やる気がなければ友人と会ったり。

でも、周りの人に支えられ、良い人間関係の中で生き延びてこられた。



勿論、自分がこんな風だとも思わないし、こうなりたいとも思わないけれど、
正直に言うと、なんだかすごく自分に似ているものを感じる・・・。





ベートーヴェンのように、構築美の完璧さが売りでもなく、
シューマンのように、充実した和声感と旋律美が売りでもなく、
ブラームスのように、濃厚で有機的な世界観が売りでもなく、

でも、どれも無いわけでもなく、
悪く言えば中途半端な、良く言えばバランスのとれた、

そんなシューベルトの世界が、自分には最も共感できるようです。



自分は、比較的どの作曲家でも演奏できるような、
云わばアベレージ的なタイプを目指すべきなのかと思っていたのですが、
ショパン弾き!ロシアン弾き!バッハ弾き!のように、
これぞ自分という作曲家に巡り会えたような気がして、ちょっと嬉しい今日この頃。(笑)


しかも、シューベルトの生きた、ウィーンに留学しているということもあって、
縁を感じずにいられなかったのです。




だからといって、シューベルトなら何でもうまく弾ける!というわけではありません。
でも、少なくとも、気負いせずにその作品に接することができます。



上手に、大切に、付き合っていきたいですね。

2012/04/24

終演!


もはや恒例となった、クラッセン(=門下生のコンサート)。
前回、準備が足りずにOKをもらえなかった、プロコフィエフのソナタを弾いてきました。



今回は、

今までの自分にない表現の可能性を引き出すこと、
技術的に難曲といわれる曲によって技術の向上と筋力アップを図ること、

今まで避けてきた課題に向き合った、苦しい期間でした。




よって、いざ本番で演奏するときに集中することがいつもと違って、
より冷静に、冷静に熱く、
そして頭と身体、両方の脱力・リラックス、
この二つのポイントがテーマでした!


脱力という点は、今回に限らず大事なことですよね。
でも、今までそこは優先的ではなかった・・・。
それでも弾けてきたから。



今まで気をつけたことのなかったことに集中しながらの本番はとても怖かったですが、
今回乗り越えられたことは、自分にとって、かなり大きなことになりました。

最後の最後で暗譜が飛びましたが(笑)、
でもようやく冷静から解放された、大興奮のコーダだったので、
喜び故の事故、ということで許してください。(笑)





それにしても、今回はみんな、かなーり気合の入ったプログラムでした!



























ベートーヴェンのソナタ2曲、シューマン大曲2曲、プロコフィエフのコンチェルト・・・(笑)

3時間を超えるコンサートになり、
リハーサルから聴いている先生は合計6時間!
「でもみんな面白く弾いてたから楽しかったよー」と爽やかにおっしゃっていました。(笑)



日本人の友達の演奏も、素晴らしかったです。
音楽的な要素が強くて且つ大曲というのは、非常にエネルギーがいるのですが、
最後まで集中力切らさず、真摯に音楽と向き合っている演奏でした。

同じ門下で、こういう友達がいるのは本当に幸せなことです。
感動と刺激をもらいました!
ありがとう!!!



春の本番ラッシュは終わったので、
少し遊びつつ(笑)、
また気持ちを新たに勉強していきたいと思います!







ああ、遊園地に行きたい・・・絶叫マシーン・・・。




2012/04/21

最近のブーム。
























ウィーンには、ユリウス社というコーヒーの大手があるのですが、
その社長さんには、日本人の奥さんがいました。


その名前は、田中路子さん。




なんと、東京音楽学校(現在の芸大)を経て、
ウィーン国立音楽大学に進学された、声楽家のかた!!

まさか、経歴が自分とこんなに重なっているとは・・・驚きです(笑)



とても恋多き女性だったようで、
ユリウス社の社長さんと結婚した後も、
旦那さん公認で(!)、数人と熱烈な関係を持ったとのこと。(笑)

結局、ドイツ演劇界の大スターと、再婚なさったようです。



そして、ウィーンでは日本人留学生に対して、自主的にたくさんの援助をなさったらしく、
かの有名な小澤征爾もかなりお世話になったとか。






そんな田中路子さんのお名前が刻まれている、紅茶。
最近、これがかなりのお気に入りです。

ハーブ、生姜、レモンのブレンド。
爽快感とほのかな甘みもあり、そして風邪引きには嬉しい喉に優しい感じ。
生姜で身体も温まりますしね。




















なかなかたっぷり入ってます。9.9ユーロだったかな。
もしかしたら、多少好みが分かれるかもしれませんが、
今のところ、これをお土産にお渡しした一人には、好評をいただいております(笑)



ウィーンにご旅行で来られた方、ぜひご購入お試しあれ。





2012/04/19

カタール航空、空の旅。

人生初です。

中東に上陸しました。

といっても、飛行機のトランジットなんですがね。





何かと危険なイメージを持ってしまう、中東。
今回はウィーンに戻る日程をなかなか決められなかったせいで、
いつものオーストリア航空が高くて手が出なかったという理由で、
初めてカタール航空を利用しました。

荷物が届かなかったらどうしよう。
空港が占拠されたらどうしよう。
離陸の時に飛行機が狙撃されたらどうしよう。

半ば冗談で、くだらない心配をしていました(笑)



この系統の航空会社では、エミレーツが一番人気で、
カタールはそれに次ぐ評価がありました。(あくまでも口コミですが。)



感想としましては、良い点が沢山ありました。

CAのサービスはなかなか好印象でした。
そして、アメニティに歯ブラシやアイマスク、そして靴下のようなものが。
靴下のようなものは、靴下でなかったらとても恥ずかしいので、何もできませんでした(笑)

機内食も、個人的には好きでした。
朝食も夕食も、2種類から選べる。(食べないこともできる。)
リクエストすれば、インスタント麺やケーキを間食でいただける。
発着に日本が絡んでいれば、日本食があり、ビールもアサヒスーパードライ!

トイレも、口コミのように汚くなかったし、
ハンドソープやハンドクリームらしきものも常備されていた。

座席についているテレビも、タッチパネルというおしゃれっぷりで、
内容も充実していました!






と、良い所を列挙すると、完璧なのですが、
悪い所・・・も実はそんなに無く、
問題は、普段オーストリア航空という直行便を利用していたことにありました。

というのも、直行で11時間で着いてしまうので、
今回トランジットの時間も入れて20時間だったということが、思った以上に堪えたわけです・・・。

しかし、人間には適応能力があります!
きっと、そのうち慣れてくれるでしょう。



何はともあれ、お勧めの航空会社です!!!






さて、ウィーンはというと、日本より寒くてびっくりです。
なんでも、日本滞在中に、ウィーンでは雪が降ったという・・・。
冬物のパジャマを着て、暖房までつけてしまいました(笑)

皆様も、季節の変わり目、風邪などお気をつけ下さいませ。






風邪引き津島圭佑でした。

2012/04/14

日本とウィーンとピアノと自分。

日本に来て、2週間ほど。


コンサートの情報をお知らせしなければ・・・と思いつつ、
しかし、色々考えることがありすぎて、
気づけば本日、日本での最後の本番が終わってしまいました。
(ごめんなさい!)




きっかけは、とある先生のレッスン。

一気に自分の課題が見え、
それがポジティブなエネルギーに働けばよかったのですが、
そうでない方向に働き、
ピアノの弾き方がわからなくなるという大変な状況に陥ってしまいました。


うーーん、このタイミングは如何なるものかと、
かなりへこみました。

じっくり悩みに更ける余裕はないからですね。


日本で待ち構えていた計4つの本番。

その一つ一つが自分にとって関門であり、
少しずつ課題克服と、演奏するにあたって必要な自信を取り戻すという作業でした。

演奏の質を純粋に振り返ると、反省すべき点はまだまだありますが、
精神的に、少し強くなれたような実感が得られた2週間でした。


ウィーンにきて、
自分はピアニストとしてどう有りたいかとか、
どういう音楽を通じてどんなことを伝えていきたいかとか考えていました。

でも、
何よりもその前に、
自分にはまだまだ根本的に鍛えていかなければいけない部分があって、
少々先(将来)を見過ぎていたのかな・・・と気づかされた日本滞在でした。

余計なことを考えずに、勉強に没頭できるという学生の特権を、
25歳ではありますが、まだまだ使っていいんだな、いや、使うべきなんだなと。

これは僕にとってはとても辛い事なのですが(笑)





でも、振り返ればピアノも遊びも充実した日本滞在でした!

待ちわびていたお花見も、楽しかったです。
特別なブランクのないはずの桜見もどこか新鮮で、
新たな出会いも沢山あって、良い時間でした。
四谷の土手にて。


































ソプラノ渡邉麻子さんとのコンサート。
短い期間でしたが、二人の音楽を一つにできるよう頑張った、充実の時間でした!
さて、どっちの写真が正しいでしょう!?









チャリティーコンサート、ベートーヴェンピアノソナタ演奏会も経て、
本日終演したベーゼンドルファーソロコンサート。
久々に僕の演奏を聴いてくれた母と姉。
客席に家族が見える感覚、懐かしかったな。意外と安心しますね(笑)