2013/03/22

Wiedersehen。


マケドニアツアーも、ついに終了しました!


ラストは、声楽の方々の劇場オーディション。
僕は伴奏は今回なかったので、皆さんのサポートなど、少しでもできることをやろうという一日でした。

皆さんの演奏をきちんと客席で聴いたのが、なんだかんだその時が初めてだったのですが、
連日の本番にも関わらず、素晴らしい演奏で最後を締めくくってくださいました。






そして昨夜は、マケドニアディナールを余らせても仕方がないということで、
飲み食いを豪遊することに。

ラム肉のステーキは元々苦手なのですが、
臭みもほとんどなく、なにより味付けが意外と上品で、美味い。

チキンカレーも、オレンジが大胆に乗っていたのですが、
カレーとオレンジの風味が絶妙な組み合わせで、これまた衝撃的。

その他、パスタやポークステーキ、サラダなど大量にたいらげ、
皆さんはシャンパンに赤ワイン、
僕は、マケドニアの昔から飲まれているお酒ラキヤ「ракија」を飲みました。



ラキヤとは、果物から作られる蒸留酒で、マケドニアでは葡萄が一般的のようです。
アルコール度数40%ということで、かなり強いお酒。
最初飲んだときは少しびっくりしましたが、食前酒としても飲まれるくらいなので、
意外と飲みやすいという印象も受ける味です。

地元の人にとっては「最強の酒」。

これを昨日は4杯、それなりのペースで飲んでしまったので、
店員さんは最後の方は少し笑いながら注文を受けていました。








これから空港に向かいます。

色々と考えさせられたマケドニア滞在。
良いことも悪いこともそれぞれありましたが、この数日間の経験に、本当に満足していますし、

マケドニアという、僕にとってはマイナーな国に親しみを持てたことは、
これからの未来に少なからず影響が出てくるはずです。

全てに感謝の気持ちを持って帰れることが、今は本当に嬉しく思います。





また会う日まで、マケドニア。


2013/03/21

意識。


さて、昨日はビトラでのコンサート。
スコピエから南に、バスで2時間半の旅でした。
この辺りまでくると、ほぼギリシャとの国境付近になるようです。




マケドニアではメジャーとされているペトロフというメーカーのピアノでの本番でした。



日本でもウィーンでもほとんどお目にかかることの無いこのピアノ。

音色はどこか不器用な温かさがあって好きなタイプなのですが、
何せ管理状況がよろしくないので、コントロールの難しいピアノでした。


もっとプロフェッショナルな演奏をしたいという想いはいくらでもあるのですが、
今の自分にはそれが良くない質のプレッシャーになってしまうので、
昨日も、純粋にピアノを自分のために弾くように心がけました。






マケドニアツアーも五日目に入り、
様々な経験を重ねてこられている実感があります。






植物が、水や肥料、日光の浴び具合などの環境で、どのように成長するか決まってくるように、
人も植物と同じで、住んでいる環境や食生活などでも変わってきますし、

更には、人間にしかできないことである「意識」を持つこと、どんな意識を持って生きていくかということで、
人はそれぞれ、全く異なる方向にも成長していくものなんだなと、
そしてその差異は想像以上に劇的なもので、恐ろしくもあるのですが、
良い意識を持ち続けながら生きている方とお仕事をご一緒させていただき、

ここマケドニアに来てよかったという想いは、更に強くなってきたように思います。









話は変わりますが、マケドニア料理は、所謂マケドニアっぽいものはないのですが、
今のところ不味いものには一つも当っておらず、なかなか食べ物の美味しい国なのではないかと感じています。

特に肉料理はメニューの種類が多く、
生野菜を大量に摂取する習慣があるようです。





そんなマケドニアも残り二日です。





2013/03/20

スコピエコンサート。


マケドニア三日目は、演奏会第一回目でした。


お客様も結構な数の人たちが来てくださり、
終演後も沢山の方々に声をかけていただきました。




今回は完全アウェイな状況ですが、
とりあえず頑張って色んな方々にご挨拶にまわりました。

こちらは英語もままならないし、急にドイツ語で振られてもパニクるし、冷や汗だらだらでしたが、
現地の人たちの素直な感想やリアクションが、とてもこれからの励みになりました。

ウィーンでは、なんだかんだ現地の人たちに演奏を聴いてもらえる機会はまだ少なかったので、
今回、現地の人たちに加え、同じアーティスト仲間と知り合うことができ、
ここにきて本当によかったなと、強く感じました。


演奏の方は、リハーサルから感じていた妙な不安感には、どうやら打ち勝つことができたように思います。
以前は、ピアノの状態によって自分の音楽の方向性もぶれがちであったのですが、
今回は、今回のピアノのコンディションに対応しつつ、やりたいことの方向性を変えずに演奏することができたと思います。

ミスは相変わらず多かったですが・・・。


共演者も、集中力の高いメンバーばかりで、
良いチームワークで、全体としてクオリティの高い演奏会を創り上げることができたことは、
本当に良い経験でした。

特に、大先生がアンコールで歌ったマケドニアの歌は、カッコよすぎました。





明日は、ビトラという街での本番。

スコピエからはかなり南に下った都市で、
近くにはオフリド湖という世界遺産にも登録されている名所があるようです。


曲も変わるし、連日でなかなかハードですが、
少しでも良い演奏会になるように、自分にできることをやろうと思います。





2013/03/19

未知なる野望。


どうやら、国家プロジェクト級の規模らしい。


一人先に到着した僕を気遣って色々とお世話してくださったディレクターは、
我が子のように僕を可愛がってくれ、ついそのフレンドリーな雰囲気によって盲点となってしまうのが、
そうとうな、やり手だということ。



まだまだ発展はこれからというマケドニアのトップの人たちは、
この国をこれからビッグにしていく!という、強かな、どこか土臭くも感じる野望を持っていました。



勿論、マケドニアと日本との、音楽を通じての今後の関係性を築いていくことに、
僕が直接関与する権限はありませんので、ただただ話を聞くだけ。

それでも、お互いがやろうとしていること、実現したいことを提示しながら、
それをやる意義が何であるのか、やることによって生まれる利害はどうであるのか、
国際レヴェルで駆け引きをしていくその様子が、僕にとっては新鮮で、とても興味深かった。

まだまだこれからどう発展していくかわからない、初歩段階の試みなんですが。


こういう、政治の世界というか、ビジネスの世界は、
ピアノしかやってこなかった自分にとって、本当に未知の世界ですが、
同じ音楽家であっても、そういう場面に毅然とした態度で臨める大先生の姿を見ると、
音楽の世界だけ知っていても何にもならないなと、改めて感じます。
というか、知るべき社会の常識でもあるんでしょうね。



最近は、そのことばかり、考えます。

せっかくこの世に生まれてきて、あまりにも知らない世界がありすぎるのは、勿体無い。

まあ、この課題は、本当にこれからというところです。






今日は引率していただき軽い観光をして、(マザーテレサの生家など見ました。)
その後は、今話したようなテーマの話し合い、
そして少し休憩をして、これからリハーサルです。

明日は首都スコピエでの演奏会、明後日は別の都市での演奏会です。



今日は練習ができなかったので、イメトレ!!!

そういや最近ピアノばかり弾いてたので、イメトレは久々だな・・・。


2013/03/18

内容は、特に無い。


そんな投稿です。


マケドニアに無事に着きました。
しばらく更新は無いと言いながら、まさかの翌日更新。

ホテルでインターネットができるということで、
空き時間にちょっとした原稿もかきたかったし、急遽、パソコンを持ってくることにしたのです。



その代償でか、カメラを忘れるという・・・。



まあ良かったかもしれません。

散歩してまわった感じだと、観光客なんてほとんどいない様子。
東洋人らしき人も、ウィーンとは違って、全く見ない。
そんな中、一眼レフをぶら下げて歩いている方が、何かと浮いていたかもしれません。


僕以外の共演者は、皆さん夜に到着されるので、
朝の便で着いた僕は、のんびり散歩できるのは今だけかもしれないと思い、
それなりに数時間の散歩を楽しんできました。





マケドニア、首都スコピエ。


比較的最近建てられたであろう綺麗な建物も少しあり、
高層マンションなんかも、二三ある。

でも、舗装されていない道が散在しており、
歴史的景観を保護しているというよりは、これから発達していくんだなという印象の町並み。


取っていただいたホテルも、中はすごく綺麗なのに、
外観が・・・なんと例えればよいのか・・・そう、公民館みたいな感じ。(笑)

ホームページで見るととても都会的なイメージを持ってしまったのですが、
おそらく二階建、「ザ・平ら」でございます。(笑)



空港から、おそらくマケドニア語しか喋れないであろうおじさまに送迎してもらい、
ホテルでチェックインした後、じゃあ30分後にランチねーとの話だったはずが、
30分後、待てど暮らせど、彼は来ない。

どうせ僕の英語力だし、当たり前のように不安になってフロントへ。
フロントの兄ちゃんが電話してくれた結果、なんと家に帰ってしまったという。(笑)

まあ一人でご飯行けるしと思って、フロントの兄ちゃんにそう伝えたところ、
近くにフードコートのあるデパートがあるという情報を教えてくれたので、そこに向かうことに。

そうしたらなんと、フロントの兄ちゃんはフロントを無人にしたまま、
僕をそこまで案内すると言い出したのです。
「フロントいいんかいーーーー!」ってつっこみたかったけど、お言葉に甘えました。
なんて良い兄ちゃん。


道中、色々質問したところ、
どうやら前情報とは打って変わって、この国でユーロはほとんど使えないらしい。
大体のところで使えるけど例外もある、という情報は、全くの誤りでした。

ここで一度引き返し(笑)、ホテルで換金してもらいました。
レートとかどうなんだろうと思いつつ、マケドニアの通貨の名前すら知らなかったし、
とりあえず100ユーロだけ両替してもらいました。




マケドニアは、ディナールという通貨。
日本円から直接は取り扱っていないのがほとんどで、基本はユーロ→ディナール。

後で確認すると、
1ユーロ=61.6ディナールで、
100ユーロを6000ディナールにしてもらえたので、ぼったくられていない。

やっぱ兄ちゃん、良い奴でした。(笑)





お金さえ手に入れば、もう不安はない。

その後、馬鹿でかいサンドイッチとハイネケンを昼食とし、
途中トイレをさまよい求めつつ、地図も無しに歩き回ってきました。




日本語が目に入ったので、なんだろうと見てみると、
どうやら空手教室のポスター。

「太陽への道」と書いてありました。

そういえば、街の至るところで見かける太陽の旗は、マケドニアの国旗。
その太陽と関係があるのでしょうか。




フロントの兄ちゃんに教えてもらったショッピン通りは、日曜だから閉まってはいたけれど、
ウィンドウショッピングをしている人が、結構いる。

暗いショーケースをみんな楽しそうに見て回っていました。




カメン・モスという古めかしい橋を渡り、街を流れるヴァルダル川を超えると、
何やら存在感のある城塞が。
ここではマケドニアの市街地と、旧市街地が一望できるようです。

さすがにそこまでガッツリ観光する気はまだ起きなかったので、
外観だけをぐるっと眺めるに留めておきました。





と、こんなに事細かに行動を書き連ねるのは、初めてでしょうか。

散歩を終えホテルに戻ってきて、あまりの睡魔に襲われてきたので、頑張って書いてみました。



他の皆さんは、まだ飛行機です。




仕方がないので、原稿作りに取り掛かるとします・・・。



2013/03/16

難題。



日付3月17日
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3月18日
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3月19日
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3月20日
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3月21日
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3月22日
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3月23日
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天気晴
晴一時雨
晴一時雨
晴一時雨
晴一時雨
晴一時雨
晴一時雨
晴一時雨
晴一時雨
晴一時雨
晴一時雨
晴
気温(℃)5℃
-9℃
9℃
-4℃
15℃
1℃
15℃
3℃
15℃
1℃
17℃
0℃
18℃
2℃



















いや、難し過ぎるでしょ。

明日から一週間程、演奏会に出演するためにマケドニアという国へ行くのですが、
週間天気見たら、余計に服装がわからなくなったという結果・・・。

到着日はとっても寒いね。
帰る日はとっても暖かいね。


候補としましては、

①中盤からはもはや暑苦しいダウンを着ていき、暑けりゃ脱いで手に持つ。
②最初の2日間だけ我慢して凍えて、後半は適切で身軽なコートに満足する。
③荷物は最小限に抑えたいけどバッグにコートを入れ、ダウンを着て行く。


いや、難し過ぎるでしょ。

しかも毎日一時雨って、なんなのさ。



今日まで練習で手一杯で、前日になり、ようやく荷造りと掃除に取り掛かっています。
というのも、マケドニアに一週間程滞在してウィーンに戻ると、
もうすでに日本へ出発する日が四日後!

帰ってからは、時間はあるけど無いに等しい感覚なので、
一時間プログラム×2の練習に目の色変えて取り組んでいたのです・・・。

一つはなんとか演奏会らしい仕上がりに近づいたのですが、
もう一つが、考えるだけで恐ろしい状態です。

コンクールが終わって、二週間半でBeethovenのソナタ3曲を新たに仕上げるのは、
想像はしていたけれど、やはり想像を簡単に通り越してしまうくらいの大変さでした。

せっかく、最近病的になっていた演奏が、少しずつ健康的になってきたというのに、
再び妙な方向へ気持ちがいかないかと、少々不安でございます。



でも、今できることしかできないし、どんな状況かなんてお客様には関係のないことですよね。
ここは、強かな意識を持って、やるしかないです。(←既にブログで愚痴っておりますが。笑)





こんな中、まさかマケドニアについて下調べをしているわけもなく、
ユーロが大体の場所では使えるらしい、コンセントはウィーンと同じらしい、という情報しか得られていません。


どうなるか、本人がドキドキではありますが、
帰ってからあっという間に日本ということで、ブログもしばらくは更新されない可能性は高いですが、
春へ向かうこの時期、僕もとにかく目の前に現れるものに向かって頑張っていこうと思います。



素敵な日本の春を、心から期待して・・・。



2013/03/06

最終ゼメスター。


ついに、本日のレッスンをもって、始まりました。


ウィーンにきた頃は、二年間なんてあっという間だろうなとわかっていつつ、
二年後って遠いな・・・とも思っていたのでありますが、
どちらかというとやっぱり、早かったような気がします。


日本の本番のために、先生に聴いていただかないといけない曲は沢山あったのですが、
最近、精神的に落ち気味だったので、
今日は、自分の弾きたい曲を最初に、自分のために弾いてきました。



先生:「はーい、どのくらい練習した?2日間?」

僕:「いえ、3日間です!!!」

先生:「どうしてこれやってるの?演奏会のため?」

僕:「いやー・・・、弾きたかっただけです。」

先生:「うん、いいんじゃない(笑)」



と、案の定な始まりになってしまいましたが、
それでも、とっても楽しかった。


コンクールのためにピアノを弾き続けたここ数ヶ月からようやく解放され、
久々に、ピアノを弾くことが少しでも楽しいと思えた瞬間でした。


先生は、コンクールでの演奏も聴いていないし、僕が最近悩んでいたことも知らないのだけれど、
全てお見通しと言わんばかりの、適切なアドバイスを、
今日は諭すように、ゆっくりお話してくださいました。


あれ、俺、先生に相談したっけ・・・?と思ってしまうほど、的をつく先生。

きっと・・・コンクール前の演奏に、全てが出ていたんでしょうね。はずかし。(笑)





そして今宵は、

これまた自分のために、

自分の好きなつまみだけを買って、いつもの安酒(2ユーロワイン)で過ごそうと決めました。

















ドイツで有名な、白ソーセージ。(お粗末写真でごめんなさい。)
その他に、モッツァレラチーズと、パプリカ入りチーズ、ピクルス、ピリ辛ポテチ。

栄養的には、最低ですね(笑)

でも、毎日三食作っているので、たまにはいいのです。









胃薬飲んで寝よう・・・。