2012/12/17

気合の変奏曲。


気がつけば最近、変奏曲ばかり弾いています。


先日のクラッセンではベートーヴェンの変奏曲、
コンクールのために準備しているベートーヴェンのソナタ12番は、第1楽章が変奏曲、
そして、ブラームスの大作の一つである、ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ。


ブラームスに関しては、ベートーヴェンコンクールのために大量のベートーヴェン作品に囲まれた日々の気分転換として取り組み始めた新曲ですが、
若干ベートーヴェンを差し置いて、かなーりハマっています・・・。


いつだったか、アンドラーシュ・シフのオール変奏曲リサイタルを聴きに行って以来、変奏曲を見直し、
ソナタなどと並んで、作曲家たちが変奏曲形式で大曲を書こうとした気持ちが理解できたきっかけでした。




どの楽曲を演奏するにも当てはまることなのですが、
変奏曲を演奏するときは、特に、如何に適切なテンポで弾くかがカギになっていると考えています。


思えば、論文でもベートーヴェンの後期ソナタを取り上げて、
終楽章の変奏曲において、各変奏の演奏速度について論じたのだった・・・。


「変奏」という題されているだけあって、各変奏に様々な演奏技法が散りばめられていて、
ついついその技術的な都合でテンポ設定してしまいがち。


常に同じテンポで演奏するということではなく、勿論テンポは微妙に全て違うのだけれど、
一貫性とストーリー性を見いだせないかという視点で、そこにある根拠を自分なりに考えたのです。




この、通称ヘンデルヴァリエーション、
25もの変奏と、おまけに最後にフーガまで付いていて、30分という演奏時間の大作!
そして、ブラームスの話には何かと付きものの、クララの誕生日のお祝いで彼女に献呈したという。


言ってしまえば、恋文のようなはずなのに、
この健康的で明るくて、斬新さ満載の壮大な曲を書いた彼の気合の入り様に、
思わずこちらまでほくそ笑んでしまいます。(笑)


25の変奏・・・ではなく、25の練習曲のようにピアニスト泣かせな技巧が要求されますが、
技巧の頂点であるパガニーニの主題による変奏曲とは対局を成せるように、
自分なりにこの作品の真意にアプローチしていきたいと、僕も気合を入れていきます。(笑)




論文作成のときもそうだったのですが、変奏曲は聴き比べがすごく楽しいです。
今のところの理想は、尊敬するケンプの音楽的センスを持ちつつ、カッツェンのように堂々と弾ききりたいです。






今年もあとわずか。

年末年始の旅に向けて、もうひと頑張りです。


0 件のコメント:

コメントを投稿