2013/05/28

愛。


只今、コンクールラッシュですね。

最近は、コンクールの様子をネット配信で見ることができるので、
時代の進歩に感謝しつつ、映像チェックの時間確保に追われる日々です。(笑)


エリザベート国際、ヴァンクライバーン国際、仙台国際。

どれも、とても大きなコンクールばかり。




思えば、そもそも留学した理由として、
第一に、尊敬する師匠のそばで勉強したいということがあり、
第二に、国際コンクールへの挑戦ということがありました。

だからこそ、今在籍しているポストグラデュアレコースというのが、
実技レッスンのみのコースであり、自分の時間が十分に確保できるという利点を選択したのです。


そう。そういう大志を抱いて、未知なる地である、海外に足を踏み入れたのです。



では、実際どうだったか。

留学生活で、得たこと。
国際コンクールを受けることによって得たことって、重要ではありませんでした。

不思議ですよね。
あんなに、夢や未来を描いていたことって、こうも覆るのかと。

僕は、正直、コンクール入賞という、ある意味わかりやすいキャリアが欲しくて、仕方がなかった。
自分の将来のこともあるし、自分の実力への安心感も欲しかった。

でも、現実は甘くなく、音源審査や一次予選で落選するばかり。
そんなこと、たいしたことじゃないって思うかもしれませんが、
本人としては、すごく、落ち込むんです。凹むんです。

そうなってくると、もうピアノを弾くこと自体が、
プレッシャーでしかなくなってきます。
だって、上手く弾かないとということしか、考えて弾けないから。

そこからです。今回少しお騒がせした、ピアノが弾けなくなったシーズンがスタートしたのが。








この、僕には苦しすぎた、辛すぎた時期を超えられたのは、
何人かの、大切な人たちのお陰です。

音楽って、奏でる人そのものを映し出すものだと思うんです。

でも、わかってはいたけれど、それを実感したのは、今回が初めてでした。


僕は、自分がどういう人間かということに知り、向き合い、
寂しさも、孤独も、そして、幸福も、歓喜も、愛も、
自分の感覚としては人生で初めてかな、人間の感情というものを味わったような気がします。

そうした時に、
自分にとって、ピアノを弾くということが、どういうことかということが、理解できました。




僕は、素直に、芸術家として生きていきたいと、思いました。




自分の気持ちに素直になったとき、
自分が本当にやりたいことをやっていこう、そう思いました。

もう、こうすべき、こうあるべき、というのは、やめます。




音楽をやっていてよかったです。
何かの曲を聴いたときに、その時のことを思い出すことがあります。
その曲に触れていたときの、自分の人生を振り返ることができる。
クラシック音楽を聴いて、泣くことができる。
これって、何て幸せなことだろうって思ったんです。
これって、音楽家にしかできない経験です。









留学二年間で得たこと。

日本に居たままでは、気づかなかったことに気づけて、
ぶつかることのなかった壁にぶつかれて、
自分にとってのピアノという存在を、全て受け入れることができた。

僕は、本当に充実感に溢れています。





まだ、コンクールや演奏会は残っていますが、
留学生活の集大成として、心を込めて、演奏できたら十分だなと思っています。

日本に帰ったら、
勿論、芸術の道を全うしていくつもりです。

今後とも、津島圭佑を、どうぞよろしくお願い致します。


ブログは、もう書くことはないかもしれません。
ただこれは、マイナスなことではなく、新しいスタートを迎えられたと、ご理解ください。






これからは、愛に溢れた音楽人生を、歩んでいきたいと思います。




2013/05/03

ベートーヴェン。


気づけばもう、5月。




先日のクラッセンといい、日々の練習といい、本当に、ベートーヴェン一色です。




本来なら、コンクール一ヶ月前ともなると、
気合と緊張とマイナス志向により、精神状態は凄まじいことになっています。


でも、色々乗り越えたおかげか、今は本当に穏やかにピアノと向き合えています。
また、「一色」なのが、好きな作曲家のベートーヴェンであることも、今の自分にとってはありがたい。

別に特別ピアノがうまくなったわけでもないけれど、
弾くことに対しての恐怖感が少しずつ取れてきて、それが本当に嬉しいのです。





もう少ししたら、またスタートできそうです。

でも、無理にスタートはしません。(笑)
僕には、支えてくれている人が沢山いるので、今は我儘で、スロースタートさせてもらいます。


みんな、いつもありがとう。