2011/10/24

徳島トリオ。

Prof.Peter Efler門下に、今年は僕も含め、3人の日本人が入りました。

そもそも、エフラー先生は、毎年徳島で行われる講習会の教授として招聘されていて、
3人とも、その講習会出身の弟子たちです。





そんな僕らは、自分たちのことを『徳島トリオ』と呼んでいます(笑)





色々な事情が重なり、それぞれのタイミングも重なり、偶然、同時期に受験することに。

3人共、受かってこの学校に通えたら・・・・と3人共が密かに切に願い、
各々の努力の甲斐あって本当にそれが実現した今、
本人たちはというと、安堵と喜びと、不思議な感覚を未だに感じます。



徳島出身で、真っ直ぐで頑張り屋の、絶叫マシン大好きなA子ちゃん。(遊び道具は僕のカメラ)
同じ大学の後輩で、しっかりしてそうで時々面白いことやってくれる、優しく人間味あるM氏。(普段はMちゃんと呼んでます。)

まずこの2人がとてつもなく仲が良く、僕も2人に仲良くしてもらってます。
(←先輩と思われていないので、この表現)



留学が始まって(始まる以前も)、この2人には本当に助けてもらってます。

お互いの音楽も認め合って、
着かず離れず、依存することはなく、
でも信頼関係はあって、

良き仲間に、感謝です。



そんな仲間内で、
先日、特に意味のない?パーティーをしました。






















せっせと料理してくれた2人。
僕は、この前カレーを作ってあげたから、いいんです。ってことにした。
















































麻婆茄子にから揚げ、ポテトサラダにタルトケーキまで!
どれも本当に美味かった。













ごちそう様!!!











真剣に、人生の〇〇期について、話し合い中。











だから、カメラで変なもの撮るなって!





活力充電された日となりました。

2011/10/21

バレンボイムのシューベルト。















いつも、Youtubeで聴いていた、バレンボイム。

ついに、生演奏を、聴くことができました。



あーー、本当に嬉しかった。



今日、バレンボイムが演奏したのは、
シューベルトの即興曲集Op.142と、ピアノソナタ第20番イ長調。

僕は、当たり前なのかもしれませんが、
作曲家によって好きなピアニストが違います。
バレンボイムは、ベートーヴェンの演奏が好きです。
(ちなみに、プロフィールで紹介したクラウス・シルデは、シューマン。)


だから、彼のシューベルトにはとても興味もあって、
今日のコンサートは本当に楽しみでした。



で、演奏はというと、
ありがちな感想ですが、素晴らしかった。


特に、弱音の世界。
弱音を素晴らしく聴かせる演奏は、
研ぎ澄まされた緊張感だったり、極限まで追求された弱音だったり、
そういう演奏は聴いたことがあったのですが、
バレンボイムは、弱音の世界に、
包み込む温かさを聴かせてくれました。

彼のベートーヴェンが好きな理由は、
充実したドイツ音楽に、ちゃんとファンタジーを表現してくれるところです。

その好きな部分をピックアップして、
シューベルトというフィルターを通して、原物を見れたような感覚でした。



ロマン派の作品を演奏するのは、本当に難しいです。

昔は、良い曲が多いし、感情的だし、
特にMoll(短調)の曲とか陶酔しやすくて大好きだったのですが(笑)、
バロック・古典派に対する苦手意識をなくすため、きちんと勉強したら、
今度はロマン派の作品の弾き方がわからなくなってしまいました。

感情を表現することって、
すごく複雑なことをやらなきゃいけないのかもしれないけど、
すごくシンプルにできる気がするんです。

複雑なことはやりたいですが、
それを難しいことにしたくないというか・・・
それをやる手段はシンプルで、でもそれは難しい、っとしたいのです。


何か掴みたくて、毎日必死に勉強してますが、
なかなか思うようにはいきません。(笑)



コンサートがあったのは、楽友協会の大ホール。













































演奏後のバレンボイム。
思ったより小柄で、弾いてる姿を見た感じだと、自分とそんなに変わらない気が・・・。

でも、温かい、大きな音楽でした。




帰宅後は、良い気分で、ウィーンの大衆ビールを楽しんだのでした。

2011/10/17

ヴィーナー週末。

この週末は、ウィーンを感じる週末を過ごしました。


まずは、人生初のオペラ座。
ナタリー・デセイがヴィオレッタを演じる椿姫を見てきました。

言わずと知れた、名歌手でありますが、
僕の中では、オフィーリア狂乱のアリアの演奏がすごく印象に残っている人。

その強烈な印象の期待を裏切ることのない、素晴らしい演技力でした。

歌の技術も、納得のものでした。


まあ(今回のオペラ全体的に)イメージがちょっと違うなーという正直な感想はありますが、
何より、オペラ座に初めて足を運んで、
また、立ち見ですが、3ユーロという激安価格でオペラを楽しめた経験が、
ワクワクドキドキ、この先のウィーン留学の楽しみを増やしてくれた感じでした。



そして、日曜日の夕方、
語学学校で同じクラスの人と、ゆっくりとカフェで過ごす時間もできました。

節約のために、つたない自炊で過ごして頑張っている毎日。

このお茶が、僕には最高の贅沢とも思えました。(笑)



最初、間違って待ってた改札前。
改札には見えない改札。しかも無人。
日本に帰ったら、同じ感覚で通過してしまいそう・・・。




そして、本当の待ち合わせ場所、シュテファン寺院前。





















カフェを探して、散歩中・・・。















カフェで、これまたウィーンっぽく、ウィンナーコーヒー(笑)





















寒かったけど、とても楽しかった。
カフェでは、色んな話ができ、これもまた楽しかった。

みんな分野は違うけれど、
異国のウィーンに勉強しにきている人たち。

勉強をある程度終えたら、ウィーンを出るか、残りたいか、
そんな話をしていました。
日本のほうがやりやすいこと、こちらのほうがやりやすいこと、それぞれあって、
またそれらを単純に比べられないのが難しいところなようです。


日本の社会の仕組みが如何にきちんとしているか、
(というか、如何に枠にはまっているか?)
そこでやりやすいこととそうでないことがあって、
それを利用しようと思えるか、居心地悪く感じるか。


日本が居心地悪いなんて、これっぽっちも思ったことなかった。
でも、こうして異文化に触れて、
自分の国がどういう国なのか、客観的に少しずつ見えてきて、
とても不思議な感じです。


音楽も同じ感覚。
日本でこだわってたことが、こちらでは大したことじゃなかったり。

勿論、技術的に雑でもいいというわけではなくて、
表現のために、もっと勇気を出す必要があって、
それが日本にいた頃は、何かを犠牲にしていた感覚でした。

でもそれは、そこをこだわることで、自分をどこか守ってたような気がしてきて・・・
小手先でなく、もっと大ぶりな捉え方、聴き方ができるようになりたいと思うようになりました。


そこが、日本の師匠がしきりに僕に言っていた、「スケールの大きな音楽」なのかな。





と、こんな真面目なこと書く予定ではなかったのに(笑)

2011/10/12

始まりはブラームス。

こちらにきて、一番初めに勉強を始めているのがブラームス。



ブラームスは、以前にコンクールの課題でソナタの一部分を勉強したのが出会いでした。

その時、二度とブラームスは弾かないと決めました。
手が、もぎ取れるかと思ったからです。(笑)

分厚い和音と、それを伴った意外に激しい跳躍が、本当に苦手だったのです。


数年前、両腕が腱鞘炎になり、その原因も、ブラームスの室内楽でした。
曲は好きだけど、手がはまらない。合わない。
色々自分で把握できず、常に何かはみ出た状態で弾いていたから、
腕に無理がきたのでしょう。



それからまた数年、
まさか留学がブラームスで始まるとは、かなりの予想外でした。

師匠は、一年間で勉強する曲を、初めに指定しました。
今までは、自由に曲を選ばせてもらって、のびのびと勉強してきたので、
それに慣れていた僕には新鮮でした。

20分以上の大曲6つに、コンチェルト1つ。


師匠は僕のことをよくわかってくださっていて、
近現代はドビュッシー止まり。(笑)

その中で、ブラームスだけは、絶対に譲らなかったんです。


先生の十八番かな?と思ったけど、
このあいだのレッスンの感じだと、どうやらレパートリーではなさそう。


はて、何か見抜かれた???



作品116。とても良い曲でした。

後期の傑作群をみても、一番好き。


ブラームスの名作って、確かにすごく良い曲なんだけど、
僕には良すぎるというか、逆にそれが受け付けない部分はあるんですね。
(同じ理由で、ラフマニノフは苦手)

ハーモニーの美しさ、音のぶつかりの心地よさ、旋律の良さ、
全てが素晴らしくて、音楽も世界も深くて、
どんどん深く深く深く深く・・・・・・・・・・・・・・・・・・



僕は埋もれていくんです(笑)
まだまだ青いですね。でも仕方ない、それがストレスになるんです。



その観点からみると、116は興味が持てました。
もちろん洗練はされているけれど、野心があって、ゴツゴツしてて。
抒情的な曲も、何も媚びてこない、爽やかな美しさ。
それでいて、ミステリアスで不気味な曲もあり。


ブラームスをきちんと勉強していないので、感覚的にしか言えないけど・・・。

これから、色々と裏付けできるものが増えていくことを目標に。



ヴィルヘルム・ケンプの116は、最高でした。
是非、聴いてみてください!




良き出会いに乾杯!ということで、


(本当は料理酒の代わりにと思って、)ワインを買いました。























普通に750mlのこの白ワイン。
イタリアのワインで、すごくメジャーなリーズナブルなワイン。

1.49ユーロ(今だと150円ちょっと)だったんです。


料理酒代わりだしと思ってちょっと味見したら、普通に美味しい。(笑)

スーパーにはとっても安いワインがいっぱい置いています。


あー幸せ。

2011/10/09

ウェルカムパーティー。

ウィーンでは、二日前から雨とともに急激に寒くなりました。

最高気温も10℃ちょい。
どうやらこのまま寒い寒い冬に突入する気配で、
あの美しい晴れ晴れとした空が、すでに恋しくなっています。



そんな中、先日ピアノ科新入生のためのパーティーが大学で行われました。

試験が行われたホールでオリエンテーション的なものがあり、
教授陣紹介と、かるーく何かを説明したあと(?)、

移動した先のパーティー会場は、なんとレッスン室前の廊下でした。(笑)


やっぱり日本人が多いなーという印象。

学部の入試は、先に楽典・聴音の試験があり、
そこでまずは基礎知識のない人を大量に落とすのです。

でも日本人にとってはびっくりするくらい簡単らしく、
一次で落ちる日本人は今までにいないと言われているくらいです。


僕が受験したポストグラデュエイトのコースも、通過した3人のうち2人が日本人だし、
日本人だらけでしたね(笑)



パーティー自体はとても楽しく、
美味しいワインに負けて、久々に調子に乗って飲んでしまいました。
















師匠である、Peter Efler先生と。
先生とは、音楽の理想が近くて、勿論、まだまだ僕には程遠い理想なので、
それを実現するための道しるべを示してくれます。

こういう音を出したかった、こういう音楽を聴かせたかった、
そのための手段を全て知っているEfler先生。
これからの二年間、本当に期待で胸がいっぱいなんです。

写真やお酒がお好きで、今日も先生にワインを勧められました。
(僕がお酒好きなことをよく知っています。笑)





































パーティーのスナックで仲間に遊ばれました。
僕は酔って使い物にならなかったので、
カメラは完全にこの子の遊び道具です。(笑)



二時間ほどで出ましたが、とても楽しかったです。

新入生として、新しい学校に迎えられて、新学期を迎え、・・・
という感覚をまた味わえるとは思わなかったので、
このワクワク感を、大切に大切に感じておきました!




ちなみに、日曜日は晴れの予報が変わって、雨。
僕の企みは、見事に延期されるのでした・・・。

2011/10/06

スタート。

まだまだ色々な手続きは途中なのですが、
今週、ようやく留学生らしい生活が始まりました。



まだ水曜日ですが、
週2回の語学学校の授業と、ピアノ実技の初レッスンがこの三日間で行われました。

なんだか急だったので、月曜日の時点では大丈夫かなぁという不安だけでしたが、
いざ始まってみると、楽しかったです。

先週は、慣れない海外で、生活環境を整えたり、生活リズムを模索したりで、
何をしにウィーンにきたのか忘れていました。

でもこの数日は、勉強することって楽しくて幸せで、
本当にありがたい機会を与えてもらったんだなと、
全身で感じたように思います。

家族のみんな、ありがとう。


勿論、幸せでも身体的・精神的にはグッタリですが。(笑)

面倒なことは早く終わらせて、たくさんたくさん勉強したい!





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愛するベートーヴェンの所縁の地であるハイリゲンシュタット。
アイツを連れて、週末に散策できたらいいなと企み中です。



行けますように。