2011/11/14

灯りを求めて。

東京って、新宿が眠らない街と言われているように、
とにかく明るいですよね。

だから逆に、夜道も何かしらの灯りが照らしてくれてるから、
『暗さ』を感じることってそんなにない。



ウィーンも、別に田舎ではないから、そんなに暗いというイメージはない。
地下鉄も週末は24時間運行だし、
その夜なんかは明け方まで若者で賑わってる。

でも、住宅街は、場所によっては別。

特にうちは、車もそんなに通らない道に面してるし、
街灯もほとんどない道なので、夜は暗いし、静か。

昼間も静かな時間が多いので、
あまりの静けさに、今自分がどこにいるのかわからなくなります。(笑)



そんなところ、ある日・・・。



その日の朝は、活動的に始まっていました。

シャワーを浴び、簡単なご飯を作り、出かける準備をし・・・


別にバタバタはしていませんが、色んなものが活動していました。
パソコン、オイルヒーター、洗濯機、カメラ電池の充電、携帯の充電などなど。

そして、濡れた髪を乾かそうと、ドライヤーを使ったんです。


普通に乾かし終わったんです。

そしてふと、パソコンのところにいくと、
電源がコンセントになってなかった。

「あれ?」

コンセントを見ると、きちんとささってる。

「あれ、インターネットができない。」



「あれ、そういえば、回ってるはずの洗濯機も回ってない・・・。」


やってしまったと思いました。
そう、停電です。

でもその瞬間は、大して動揺もしてませんでした。
あーただ使いすぎて落ちたんだな、と。

ブレーカー上げなきゃということで、ブレーカーを探しました。

ところが・・・どこを見てもブレーカーがない。

もしかしたら、どこか一か所で、アパート全体を制御しているのかなと思い、
渋々、大家のところへ行きました。


僕:「色々使いすぎて、電気が点かなくなりました。」
大家:「え???どういうこと?電気が壊れたの?」
僕:「いいえ、たぶん壊れたんじゃなくて、ブレーカーが落ちた」
大家:「ブレーカー?なにそれ?」
僕:「(え、なんでブレーカーしらないの!?)いや、だから、洗濯機とかドライヤーパソコンとか、
   色々使いすぎたんです。」
大家:「え、なに?パソコンって?」
僕:「パーソナルコンピューター!PC!!(ジェスチャー付)」
大家:「(そのジェスチャーを見て)なに、ピアノを弾きすぎたの?問題ないよ。」


そんなに俺のドイツ語、発音悪いかよ(笑)
大家は良い人なんですが、少々ボケてるんです・・・。

話が進まないので、とにかく部屋に来てもらいました。

しかし、部屋の状況を知っても、大家は何故こうなったかわからない。
仕方なく隣の部屋の人を呼んで、一緒に見てもらいました。

すると、原因はこれだったのです!!!




なんだこれ?って感じですよね。
隣人曰く、これが電気の配線を司っていて、どうやらこれが壊れたらしい。
勿論、電気を一気に使ってしまったことが原因・・・。

隣人:「あーこれは電気屋で部品買わないと無理だね。でも今日は日曜日。」
大家:「明日の朝まで我慢するしかない。」



がーーーーーん。



この静かな暗い部屋で、夜を超すのか。
しかも運が悪いことに、友人が泊まりに来ている日。

ごめんなさいーーーー!!!!


ウィーンであれをやってこれをやって、
夜はこれを作ってパーティーしようとか、様々な計画があったのに、
狂いまくり。
既に午前中もこの騒ぎでほぼ潰れ・・・。


テンションガタ落ちの僕を見かね、
友人はこの状況を楽しもうと励ましてくれました。

とりあえず、軽いウィーン観光をしながら、ロウソクを探す旅に出ました。


しかし、今日は日曜日。
開いてる店もほとんどなく、おまけにとても寒い。

閉まっている店のショーケースに飾られたロウソクを見ては、
手が届きそうで届かないロウソクに腹が立ち、
マッチ売りの少女じゃないけど、誰かロウソク売ってくれと本気で思いました(笑)


結局しばらく歩いても見つからず、
寒いからもう帰ろうということになり、
最後にダメ元で、
最寄駅にある、日曜日でもやっている小さな小さなスーパーに望みをかけました。


すると・・・


あったのです!!!!
しかも大量に!!!!
2人で歓喜の声をあげました。
ロウソクに!(笑)


ロウソクを買ったのも人生初めてだったし、
ロウソクを買ってこんなに嬉しくなるとは思いもしませんでした。

真っ暗な夜にならなくて、本当にホッとしました。


そして帰宅後、
本来やるはずだった餃子パーティーは予定通り開催。
その後は、キャンドルナイトと化しました(笑)









美味しい水餃子を鱈腹食べ、
ここからエンドレスの(ちょーくだらない)ロウソク撮影会が始まったのです。











ロウソクの灯りは、僕らの心も灯してくれたのでした。(完)

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